私は2001年の11月、もうすぐ34歳になろうかという頃のこと・・・下の子が幼稚園の年中さん、上の子が2年生の、11月からピアノの先生をやり始めた。
とはいえ最初はお友達の姉妹二人だけの生徒さんだったが。
それから、やめていった人も含めて20人ほどの生徒さんに出会った。
現在も続いているのは、12人。
何の足場のない私の教室になぜ、生徒さんが集まるのか。その理由はいくつかあるが、その一番大きい理由は「安いから」。
幼稚園年中さんから、引き受けていて原則毎週やって(5週目もやる)月4000円スタート。ブルグミュラー入って1000円アップ、ツェルニー30番入ってもう1000円アップ。
それでも6000円。
で、もちろん、音大を目指すようなレベルになればほかの先生を紹介します、としているので、とにかく最初はみんな、「キーボードで始める」。
だから、みんなブルグミュラーに入る時点程度で、本格的にピアノ、電子ピアノの購入を考える・・・のだ。
これまでに、7人の楽器購入に付き会った。
実は・・・私の音楽観とかレッスン方法とかこのブログの前にHP等で書いてきていた。なんとなくそのバックアップを整理していて面白い(w)文章が出てきた。ので、サルベージしてみる。
迷走電子ピアノ
2002年10月29日
この業界はどうなっているんだろう、と思わされる出来事がまたあった。
生徒のAちゃん、Sちゃん姉妹のママとパパ、H夫妻が、ついに、パパさんの休みである今日、中古ピアノの卸販売、とよく新聞広告などでうたってる、○○〇ュー○ーという会社に、電子ピアノもあるというので、見に行く事にした。
担当者は、…いかにも、怪しいカンジの人…。って、営業マンて、独特の雰囲気があるけど、それをコクコクしたカンジ。
ゆっくりと、丁寧に、軽く、笑みを浮かべながら、各社の電子ピアノの特徴をのべて、まるで、自分が誠意の塊であるかのごとく、話していく。
しかし、最初から、言っていたことは「私は、ヤ〇ハの商品が、最良のものとは、ツユほども思ってません」だった。
それを言い出すまでに、実は何度か念をおされた。「あなたは、ヤ〇ハの教室で、そこでは機種を勧められてないのですか?あなたはヤ〇ハピアノがいいと思いますか」と。
私自身は…正直なところ、…それはわからない。わかるほど、色んな機種を触ってきたことがない。国産どころか、・・・ディアパソン、スタンウエイ、ホロビッツ、・・・ボストンすら、アップライトは触ったことないし、本当の意味、何台も並べて見て、どのメーカーか当てられるわけでもないし。
しかし、実は、私が持っているのはカワ〇のピアノ。電子ピアノもそうだ。なぜなら、5歳から14歳まで触ってきたヤ〇ハピアノ、はっきり言って、ヒドイ鳴りだった。なんでかはわからない。調律やら、アクションの次第やら、そんなことを考えるのには幼すぎた。
で、実際、選ぶ時、何台も並んでるヤ〇ハピアノの中で、値段に10万の差があっても、…分からなかったのだ。で、少なくとも、違うタッチのものがほしい、と、数少なくしかおいてなかったカ〇イピアノにしたのだった。
だから、私は、ヤミクモにヤ〇ハがいい!とは思ってないし、カワ〇が、最良、とも思っていない。今のピアノの鳴りには満足している、というだけ。あと、名前の通った会社には、それ相応の信頼はある、とは思っている。
しかし、その営業マン、私がヤ〇ハ信奉者でないと分かると、すごい説明をはじめた。電子ピアノを、並べたところで、ヤ〇ハ、カワ〇、コロン〇ア、ローラ〇ドと、弾いて見せて、「先生は見ててください、お父さん、お母さん、さあ、触って比べて見てください」と。
ヤ〇ハのものだけ、極端に強弱がつかない。
「ほんとだ、…ふーん」
ふたりは、納得したようだった。そこで、私は、実は愕然としていた。他社の物は音量MAX近く、ヤ〇ハの分だけ、音量MAXまでのメモリ3分の1にしてあって、あまつさえそこにはセロテープが貼ってあった。素直に、試しているお二人の前で、「音量を自分の家で使うくらいにして、選ばないと。大きくすると鳴りがいいと勘違いしちゃう事もあるよ。…あれれぇ?このピアノにはセロテープがついてるね」
睨む営業マンの前で、そう言うとそいつは「あっれー?うーん、これは子供が触れないように貼ったんやね」と、いうから、にらみ返して
「はがしてもいいですよね?」というと、汗をかきながら「どうぞどうぞ」
ヤ〇ハの分だけはらんと、他のにもはっとけ!子供が触らんよーに!!
アコピの中古もたくさんあったので、弾かせてもらった。それも、大笑い。ヤ〇ハピアノだけ、調律がめちゃくちゃ。他メーカーのはまぁ、あわせてある。
「あれ、変な音やねぇ」聞いた、H夫妻はいった。
「調律もせんと、売れへんやろ、こんなん。いや、かえって、ウケルかも。ホンキートンクピアノって言うねん」と、聞こえるか聞こえないか、微妙な声でいった。
しかし、ずらしすぎやろ!と思えるほど。ひどいものはほとんどが半音下がってたり。一体、どんな客を設定して並べてるんだろ。音の狂ったピアノで、知ってる曲を弾いても「あれ、ヘタクソやなぁ、このピアノで弾くと」と素直に思える客があいてなのか?
金額はまぁ、今まで見た中で一番安いは安い。しかし、もともと、機種を決めてからいくらで?という買い方はいいけど、ここで、このおじさんのいう事を真に受けて機種を選ぶのは…これはだましてるんやん。ウソツキやん。しかも、広告にはヤ〇ハピアノも多数展示!って、どうどうと書いて…それは客寄せのおとりなんだ。
と、H夫妻に説明して、別れた。
ここのとこ、楽器店のネタを書いてきて、こんな商売にあうのも、さほど多くないだろうと思いきや、また、これだ。
一体、この業界で住んでる人たちはどうなってるんだ。
まだ、住宅や車やらは高額でも、人の命に関わってるから、そうそうヒドイ作りのものを騙して買わせることはしない…少ない。しかし、ピアノ販売って…なんか、すごーく人を馬鹿にしてないか???私は今日言ったところで真に受けて買った人、はっきりいって恥ずかしいよ。ダマサレとるよ。
べつに、私はどのメーカーの物がいい、悪いと言ってるのではなく、ピアノに限らず、こういう物の売り方をする人間は、絶対によくない、と思う。まるで、新興宗教の勧誘と一緒だ。自分のアンチヤ〇ハ教を人に植付けようと、音と、細工を駆使して、人々に広めようとしているのだ。
なぜ、そこまでヤ〇ハがキライなのか、そうなったのか知らないけど。
行く前に電子ピアノの比較をしているサイトをいくつか調べて、意見を見ていった。「…調べてきたことと違うなぁ」というと、ネットで調べる事自体を非難された。「そんなもんで、分かるわけないですよ」
ああ、コイツもアホだ…。
そんな商売、いつまでやるんだろ?誰か何とかしろよ…。ヤ〇ハさんの為に言ってるのではない。ああいう形で買わされる大勢の「音楽を始めたい」人たちのために…。
とまぁ・・・。あれから3年近くたっている。
どうしてるんだろう?この楽器店・・・w。
いい勉強させてもらったんだけど・・・w。